読書と仕事と病気と、まったりとした日々

読んでる本や読んだ本の感想や病気の日々の事をのんびりと書いていきます

空母決戦1942

昨年の11月頃からサイフォンのこまあぷシリーズの空母決戦1942にハマって時間あるときにちまちまとプレイしています。

これで、このこまあぷシリーズは全てプレイした事になるのですが

面白さは

空母決戦1942

総統指令

桶狭間の戦い

ガザラの戦い

百年戦争

薔薇戦争

の順ですね。

百年戦争薔薇戦争は完全にデジタルゲームっぽさが出てるので正直あまり面白くないです。

最初はガザラの戦いもなぁ…と思ってましたが、公式のデザインノートやコラムや作戦研究を読んだり、エキスパートモードをやると結構熱いです。

さて空母決戦1942なのですが

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これは1942年の太平洋を舞台にしたウォーゲームです。

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勝利条件は相手の空母ユニットを全て撃沈判定にするか

全ての地上基地を占領するかです。

最初こそ数で勝る日本軍ですが、最初の撃沈判定が出ると、イベント「日本軍の慢心」が発生し

その撃沈判定が出たところにスタックしている全ての日本軍空母が撃沈してしまいます。

なので、最初から6隻スタックして運用していると一気に全滅することも……

アメリカは最初は日本軍より空母が1隻少ないのですがエキスパートモードだと1隻撃沈判定するたびにイベントで大西洋から空母が回航し補充されます。

また撃沈判定ではなく、被害が出てドック入り判定を受ける場合もあるのですが、これを回復させるにはお互いのサイコロの出目が同じ数値にしてターンを進める必要があります。

その際日本軍は1隻ずつドック入りの空母が戦線復帰するのですが、アメリカは工業力の力で全て同時に回復します。

 

そんな感じでなかなか面白い仕上げになっています。

あけました

新年あけましておめでとうございます。

2017年も体調に気をつけて、ほどほどに頑張ります。

昨年末から続いた激務を終え、やっと2連休です。

爆睡するつもりです笑

 

さて、昨年末……大晦日に我が家にとある本が届きました。

グデーリアンが書いた機甲戦の理論書アハトゥンクパンツァーこと「戦車に注目せよ」です。

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グデーリアンの回想録である「電撃戦」をだいぶ昔に読んでからその存在を知り、それ以来翻訳されるのを待っていました。

内容は

戦車に注目せよ(1937)
戦車部隊と他兵科の共同(1937)
「機械化」機械化概観(1935)
快速部隊の今昔(1939)
近代戦に於けるモーターと馬(1940)
西洋は防衛し得るか(1950)
そうはいかない!西ドイツの姿勢に関する論考(1951)

と結構なボリュームです。

戦車に注目せよ以外の1937年から40年の論文は旧日本軍が翻訳した物を収録

50年代のものはおそらく初の翻訳かと思います。

以前から何度も英語版のペーパーバックを買って、自分でどうにか読もうかと悩んでましたが買わずに済んで良かったです。

 

 

 

日本の戦歴 南方進攻作戦読了

学研M文庫の「日本の戦歴 南方進攻作戦」を読み終えました。
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南方侵攻……
つまりマレー、シンガポール、香港、フィリピン、インドネシアへの侵攻を書いた1冊です。
文庫なんで内容的に浅いのかな…と思っていたら、当時参加した兵士の回想録などを結構引用していて濃く好感が持て面白く読めた1冊でした。
この本のおかげでマレー作戦に興味を持って「陸戦史集 マレー作戦」と「サムライ戦車隊長」買っちゃいました(笑
陸戦史集は第一次大戦のタンネンベルクの戦い、朝鮮戦争の1巻目、日露戦争の旅順攻略、第二次大戦のガダルカナルに続き5冊目なんですが、やはり日本が第二次大戦に参戦した日に始まった戦いのせいか本自体が分厚いような気がします。
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日本の戦歴 南方進攻作戦 (学研M文庫)

日本の戦歴 南方進攻作戦 (学研M文庫)

陸戦史集〈第2〉第二次世界大戦史 マレー作戦 (1966年)

陸戦史集〈第2〉第二次世界大戦史 マレー作戦 (1966年)



ユナイテッドステイツオブジャパン読了

ユナイテッドステイツオブジャパンの上下巻読了。
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この作品を知ったのはアメリカで出版された頃だったと思います。
数ヶ月前に日本でも話題になっていた記憶があって
先々週だったと思うのですが、10月に発売されたばかりと知って「あれ?まだ発売されてなかったんだ?」と思いつつ購入しました。

って事で感想を
まずこれを「21世紀版高い城の男」って思って読むと敷居が高くなっちゃいますね。
(著者もディックに捧げる文書いてるから仕方ないけど)
明らかに意識して書いてるなと思う部分は結構ありましたが、ディックの作風とは離れてます。
それ抜きにして読むと非常に面白い作品だと思います。

ストーリーは現実より遅く対米戦争を開始した日本軍と同時に北米に侵攻を開始したロンメル将軍率いるドイツ軍。
この2カ国の攻撃は最終的に日本による3発の核魚雷による攻撃でアメリカの降伏で終わり、日独は勝利し日本が占領下におきロスアンジェルスを首都とし西海岸を中心とした「日本合衆国」とドイツが占領した東海岸側とアメリカは東西に分裂します。
そして日本軍はその占領を巨大ロボにより行っています。
ドイツ側の設定や国名はあまり出てこないので詳細は不明ですが…

日独に分裂されたアメリカ、これは仮想戦記読む方なら結構ありふれた新鮮味のないテーマなんですが、キャラが皆立っていてそこが活きています。
肥満だがプログラムに関しては才能があるが女性遍歴が酷く日和見主義者(昼行灯?)な主人公。
純血な日本人じゃないが皇国に絶対的な忠誠を誓う特高の女性課員。
この2人のコンビが良い具合に出来上がっていて飽きを感じさせないです。
世界観はあまり言及されていないが日本は朝鮮戦争に参加し現在はベトナム戦争中の模様。
その場合、北朝鮮北ベトナムを支援するのはドイツですかね?
しかも現実のベトナム戦争より長期化しています。
そしてドイツは現実のソ連同様アフガンに侵攻した模様です。
逆にこの場合、ムジャヒディンを支援するのは日本?
その辺も詳しく書いてくれるともっと楽しめたかもしれないですね。
あとこの作品を楽しめたのは翻訳が良かったからかもしれないです。
何てったって巨大ロボを操るのが関西弁を話す女性パイロットなんて最高じゃないですか!

前評判で拷問やら糞尿の描写がきついと結構書かれていたから、心配していたけど全然大丈夫。
こんなの他の…極端な話「慈しみの女神たち」に比べると軽いです。
(比較対象を慈しみの女神にすると全てのグロい作品が軽くなりますが苦笑)
その慈しみの女神たちという作品は「文学界における最悪の性描写賞」だったかな…?(うろ覚えなんで)という賞を受賞したアインザッツグルッペンを題材にした物で、それを以前読んでいたので耐性はある程度付いていました。
それと個人的に思ったのは佐藤大輔の作品に雰囲気が似てるような気がしますね。
(あっちもアメリカはボロボロですが)
なんですかね……佐藤大輔の作風である「皮肉を感じさせない皮肉」というか「嫌味を感じさせない嫌味」って言うのかな……?
読んでいて心地良い感じ(心地良い感じはディックの作品にもあって繋がる部分もあると思いました。

とここまでが上巻の感想です。

下巻に関して書きますと、上巻を読んだ時の衝撃さ…初めてフィリップ・K・ディックの作品(流れよ我が涙、と警官は言ったが初めて読んだ作品でした)を読んだ時やホーガンの星を継ぐものを読んだ時の衝撃さは上巻には確かにあったのですが、下巻にはありませんでした。
これは上巻読んで、下巻読むまで1週間あったからかもしれないのですが、何か物足りない感じを受けました。
でもまあ全体的に見ると面白かったですね。
今年読んだ本でベスト1か2だと思います。

ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 上 (ハヤカワ文庫SF)

ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 上 (ハヤカワ文庫SF)

ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 下 (ハヤカワ文庫SF)

ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 下 (ハヤカワ文庫SF)


高い城の男 (ハヤカワ文庫 SF 568)

高い城の男 (ハヤカワ文庫 SF 568)



流れよわが涙、と警官は言った (ハヤカワ文庫SF)

流れよわが涙、と警官は言った (ハヤカワ文庫SF)
























コロンビアゼロ 新航空宇宙軍史読了

谷甲州著「コロンビア・ゼロ  新・航空宇宙軍史」読み終わりました。

あらすじ(帯から)
(前略)外惑星では「次の戦争」が確実視されていた。国力が低下した木星系にかわって、土星系タイタンの台頭が著しかったせいだ。さらに前後方トロヤ群が、これに続く勢いをみせていた。
危機的な状況が生じるのは、二一四〇年前後と考えられた。星々の位置関係が、外惑星にとって有利な状況になるからだ。
占星術による判定ではない。この年のはじめに、木星土星は最接近する。
二〇年余に一度の惑星直列であり、外惑星からみれば四〇年年前と同様の開戦の好機といえた。
戦力の集中が容易になるから、内宇宙からの侵攻を強固な布陣で阻止できるのだ。逆に攻撃時には集中した戦力で、一気に敵陣を突破できる。
不穏な状況の中で星々は軌道をめぐり、そして開戦の時が近づきつつあった。


第一次外惑星動乱では、外惑星連合の正規巡洋艦サラマンダーのエンジン部分を製造しながら土星系衛星タイタンは僅か2カ月で航空宇宙軍の力の前に降伏。
そのタイタンが1年以上戦い抜いた他の衛星と同じくらいの戦後復興支援を受けた事から、他の衛星と比べて経済が良くなり秘密裏に高出力エンジンを再開発。
高出力精密射撃が可能なレーザー兵器や無人兵器も実戦で試験し、前大戦で活躍し宇宙に漂った巡洋艦サラマンダーのデータを回収し軍備を前大戦よりも充実させる。
その技術を使って製造された新たな仮装巡洋艦は最初の攻撃で地球の軌道上にある基地を奇襲し破壊できる代物だった…だが奇襲したら、それで終わり、2度目の奇襲は通用しない。
2回目の戦争には消極的だったカリスト及びガニメデといった衛星群は早期に地球に講和を求めるも、密かに配備していた無人兵器を使用したタイタン軍はクーデターを起こし、カリスト、ガニメデの両軍はタイタン軍に編入され傀儡国家となり、第二次外惑星動乱も長く続く戦乱になるだろう……みたいな話で終わり。

やはりこのシリーズは面白いです!
前シリーズのタナトス戦闘団とかの単語も出てきて満腹満腹!
しかも登場人物の一人がタナトス戦闘団の隊員の親族。
でもその隊員の最期は哀しいものでした。
他にもタイタン航空隊の元パイロットなども出てきます、タイタン航空隊って聞いた覚えがあるけど、思い出せないなぁ…と思っていたら火星鉄道一九に収録されていた短編ですな。
これで完全版をゆっくり読むことができます。

航空宇宙軍史との出会い

最近、SF小説「航空宇宙軍史」シリーズの「カリスト開戦前夜」と「タナトス戦闘団」が加筆修正され完全版1巻目として発売していた事を知り昨日買ってきました。
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これは地球、月の連合軍「航空宇宙軍」と木星系及び土星系衛星国家の連合軍である「外惑星連合軍」の2度に渡る戦いを書いた未来史。

このシリーズを初めて知ったのは学生の頃だから10年ほど前かな…小川一水の短編集「老ヴォール惑星」に収録された「漂った男」を読んでサバイバルSFに目覚めて、他に似たようなSF小説ないかな…と探してましたら「惑星CB-8越冬隊」なる「航空宇宙軍史」シリーズの外伝にあたる作品に行き着き「航空宇宙軍史」を知りました。

老ヴォールの惑星

老ヴォールの惑星


その後、古本で探して「火星鉄道一九」「カリスト開戦前夜」「タナトス戦闘団」「仮装巡洋艦バシリスク」の4冊は購入したのですが、それ以外は見つからなく諦めかけていたのですが、完全版で復活ですよ!
本当にめちゃくちゃ嬉しいです。
2カ月に1度の刊行で、当時刊行された順では無く、作品内での時系列順で刊行するとの事です。
次回は10月で「火星鉄道一九」と「巡洋艦サラマンダー」です。
楽しみです。

今年の終戦日に思った事

今年も8月15日がやってきました。
第二次世界大戦の終戦日ですね。
僕は今「地域のなかの軍隊 3 中部 列島中央の軍事拠点」なる本を読んでいます。

列島中央の軍事拠点: 中部 (地域のなかの軍隊 3)

列島中央の軍事拠点: 中部 (地域のなかの軍隊 3)


この巻を購入したのは、僕の住んでいる地元の事も書かれているからなのですが
この本は軍事史よりも、どちらかというと何故その県のどこどこに師団司令部なり旅団司令部もしくは連隊が配置されたか?
何故、市民が熱狂的に誘致したか?
地元との関係はどんなものだったか?等に重点を置いた郷土史に近いものとなっております。
この本によると、豊橋の場合は地元では「地形が満州に似ていて、演習に都合が良かった」からというように認識されているそうですが、実際は代表的産業であった製糸業の不振から1908年に第15師団を盛大な歓待を持って迎え入れたとあります。
このように戦前から地元経済が低迷する小都市は軍隊の誘致を熱狂的に行われたそうです。
そしてそれらの町は「軍都」と呼ばれる事になりました。

今の日本で言うと各県に誘致こそしていませんが自衛隊、米軍が駐留する「軍都」は存在します。
そして、まず思い浮かべるのが沖縄県かと思います。
沖縄県の方々には申し訳ないのですが、僕は「沖縄県」という台湾、東南アジア、そして中東への玄関口という「場所」柄、そして昨今の尖閣諸島を巡る対立にとっても所謂「自由と繁栄の弧」の最前線である沖縄県には米軍の存在は必要不可欠だと思っています。
かと言って戦争には僕は以前も言った通り反対の立場ですし、核、空母、原潜などの保持にも反対です。
この考えに関しては変わっていません。
ですが、軍隊がそこに配置されている以上は「何らかの理由」が存在し、そして少なからず地元の町は全てとは言いませんが何らかの恩恵を受けている人間が存在します。
もちろん恩恵を受けず、逆に迷惑を被っている方々もいるのは承知しています。
上記の本では、各地が戦前に軍隊を誘致したのは基地の建設の労働者の雇用、兵士やその家族が地元で使うお金に期待した地元住民と、そこに軍隊を配置する政府(政治家)や軍部の目論見が一致した結果のように書かれています。
沖縄県もおそらく米軍が出ていったら地元経済(正直観光業だけでやっていけるのか僕は疑問です)はガタガタになるでしょうし領土問題や尖閣諸島周辺がきな臭くなるでしょう。
余談ですが、僕の住んでいる県には原発があり、そこの市に住んでいる友人にちょっと前に久しぶりに連絡取ったら、原発停止後は全く仕事がなくなり、そこの市は外国人パブや飲屋街が栄えていたのですが、その上東北の震災後にはお店は閉まって皆あっちにお店を出しに行ってしまい町から活気がなくなったと言っていました。
軍隊と原発、置いてあるものは別物ですが実際に地元住民は少なからず何らかの恩恵を受けています。
僕は昨年、何も考えずに反対〜!賛成〜!と叫ぶ前にまず議論をすべきだと書きました。
ですか、現実はそんな議論も何もなく一部の若者達が熱狂的に賛成し反対し、そして都知事選でも何も考えずに(僕にはそう見えました)核を問題にする候補者がいた事に驚きました。
これが例えば、尖閣諸島を持つ沖縄県での選挙で尖閣諸島を議題にあげたり、原発がある県の選挙で原発を議題にするのは良いと思います、というか当然です。
ですが、東京に核ありますか?

軍隊にしても原発にしても「何故そこに置かれたか?」考えてみると答えが出てくるかもしれません。
そして一方的に叫ぶのではなく議論をしましょう。
と「地域のなかの軍隊」という本を読んでいて、そして今日8月15日の終戦日に思った事です。