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読書と仕事と病気と、まったりとした日々

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国連平和維持軍 アメリカ海兵隊レバノンへ 読了

読書 歴史
アメリカ海兵隊司令部編集「国連平和維持軍 アメリカ海兵隊レバノンへ」を読み終わりました。
以前今読んでる本としてあげた陸戦史集はどうしたんだ?と疑問に思う方もいるかと思います、朝鮮戦争飽きました……笑
この本はレバノン内戦に介入したアメリカ海兵隊の公式な記録です。
題名に「国連平和維持軍」とありますが、国連平和維持軍としてレバノンに行ったのは他の国々で、実はアメリカやイギリス、フランス、イタリアはレバノン政府の要請を受けて介入したにすぎません。
国連平和維持軍として、送られたのはフィジーやフィンランド、ネパールでした。
内戦というのは極めて複雑な問題で、レバノンの場合もそうでした。
当時のレバノンにはヨルダン内戦で追放されたパレスチナ難民やPLO(パレスチナ解放機構)の民兵が流れ込み、勢力を拡大。
元々レバノンで多数派を占めていたキリスト教系の組織(特に右派のファランへ党)は、多くなったイスラム教徒とのバランスが崩れるんじゃないかと危惧して、とうとうそれは武力衝突という形で始まりました。
各地での戦闘の結果、ファランへ党の武装勢力は次第に追い詰められていきます。
しかし、そんな状況下に陥った国にさらに2つの大きな組織が介入します。
シリア軍とイスラエル軍です。
シリア軍はPLOの拡大化が続くと、イスラエルが介入してくると危機を覚えPLOを制圧するためレバノンに侵攻します。
それは他のアラブ諸国イスラム教過激派組織から裏切り行為と見なされましたが、それ以上にシリアはイスラエルの介入に怯えていたのでしょう。
イスラエルはテロへの報復という名目で「ガリラヤの平和」作戦を発動、侵攻します。
イスラエルは数度に渡る中東戦争で勝ち抜いてきた、現在でもその練度はアメリカを凌ぐと言われるほどです。
イスラエル軍は皮肉にもキリスト教系右派のファランへ党側につき(ファランへ党はナチスドイツのファシズムを模した党でした)9個旅団をもって、レバノン駐留シリア軍を撃破、国連暫定レバノン維持軍(フィジーやフィンランドからなる国連軍)の支配地域をも突破しベイルートを包囲しました。
ここに来てようやく消極的だったレバノン政府は、国連暫定レバノン維持軍とは別にアメリカ、イタリア、イギリス、フランスからなる多国籍軍の介入を要請します。
アメリカは海兵隊の投入を決定しベイルートに上陸させます。
これはベトナム戦争での敗北後、アメリカの軍隊を正規に大規模投入した初の事でした。
レバノンへの派兵は全部で6期行われ、この本はそれらについて詳しく書かれ
最終的にはアメリカ大使館とレバノン国際空港内のアメリカ海兵隊第8連隊第1大隊の本部とフランス軍の施設が攻撃を受け、米本土で撤退の世論が沸騰し、内戦が続く中、撤退しそこで終わります。

レバノンに派兵されたアメリカ海兵隊ベトナムでの敗北を未だ克服していなかったためか、交戦規定についてかなり慎重な対応をしたという風に感じられました。
治安維持というのは今も混乱が続く中東を見ていると本当に難しいんでしょうね……
ちょっと面白かったのは、各国の軍の戦闘糧食としては不味いと言われているアメリカのCレーションについての記述です。
当時の報道では、フランス軍はワインの樽に正規の献立、イタリア軍はパスタ、肉と豊富なメニューでアメリカは粗末な物だと言われていたそうですが
フランス軍やイタリア軍には下痢患者が多かったが、アメリカ軍側にはそうした患者はいなかったと書いてるところです。
とある少佐は「Cレーションだったために、ナポリにいたときよりも下痢患者の患者が少なかった」と言ったそうです 苦笑

国連平和維持軍―アメリカ海兵隊レバノンへ

国連平和維持軍―アメリカ海兵隊レバノンへ