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読書と仕事と病気と、まったりとした日々

読んでる本や読んだ本の感想や病気の日々の事をのんびりと書いていきます

映画「オデッセイ」を観る

生活
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SF小説「火星の人」の映画版「オデッセイ」を観てきました。
昨年秋くらいに原作を買って、映画版を楽しみにしていた作品です。
一言で言うと、原作の良さを8割ほど削って、原作に無いエピローグを入れるという酷い物でした。
以下ネタバレ含んだ愚痴不満ばかりの感情的な感想(感想と言えるのか……?



まず小説は火星に有人探査を行う6人の宇宙飛行士のうち主人公が事故で取り残され日誌という形で語られていくのですが、主人公のワトニー(植物学者、メカニカルエンジニア)や他の宇宙飛行士たちは所謂geek(特に船長が古いドラマとディスコ音楽オタクなため置いていったデータにかなりのコレクションがありこれがワトニーの娯楽となります)で、地球との交信や日誌にも70年代のアメリカのドラマのネタを使っています。
そのため主人公は非常に「濃い」のです。
そして何があってもとにかくポジティブな性格がこの小説の1番の特徴です。
なのに映画内ではうまく表現されていません。
日誌は映像ログ(SF映画「月に囚われた男」のような感じです)として表現されていましたが、ポジティブさはほとんど感じられませんでした。
それよりも劇中でワトニーの人物評として「毒舌」という表現を使っているのが気になりました。
映画内のワトニーは毒舌ですらありません。
おそらく映像化するにあたって、色々と規制に引っかかるのでしょう。
原作ではワトニーが最初の地球との交信(文字で交信します)でNASAのお偉いさんから世界中に情報が公開されるから発言を慎むようにとの言葉に反抗するように「みてみてー(.Y.)おっぱい」と発信するなどで笑わせてくれたシーンがあります。
ですが映画版では登場人物は笑っていますが、画面には表示されないような演出が行われていました。
もうこの段階で、この映画は「オデッセイ」であって「火星の人」では無いんだな…と思いました。

そして次に不満を感じたのは「ミンディ・パーク」という衛星コントロールエンジニアの登場人物の存在です、この人物は最初にワトニー生存を知る重要人物だったのですが、映画では空気でした…

僕は、ワトニーのラブロマンス(笑)が一切ない「火星の人」で映像化したら、てっきりミンディ辺りはヒロインになるのかな〜と思ってましたが序盤出てからたまに出るくらいでほとんど喋らず。
一応原作にはヨハンセン(宇宙飛行士、原子炉技術者及びシステムオペレーター)というみんなのマスコット的ヒロインは存在するのですが、他の宇宙飛行士とできちゃいます。
これについても不満があり、おそらく原作を読んでない人は終盤まで気が付かないでしょう。
原作にはワトニーから他の宇宙飛行士1人1人それぞれに向けてメッセージがあるのでわかるのですが、映画ではその辺も端折ってます。

最大の不満はルイス船長(海軍軍人で地質学者)とワトニーのやりとりの少なさです。
原作にはワトニーが過去の夢を見ているシーンがあるのですが、海軍所属なため時間に厳粛でハキハキとしたルイス船長がみんなを起こしてまわるシーンがあります。
空軍所属のマルティネス(操縦士)以外は毛布から中々出てこず、枕を離そうとしないワトニーに至っては枕をとったルイスに「悪い女の人に枕をとられたよう」と子供染みた事を言います。
他にも終盤の「アイアンマン作戦」なるものがありまして、その作戦を却下し違うやり方でワトニーを救出しようとするやりとりがあるのですが、ワトニー「故郷に建つ記念碑は、僕だけのもの!あなた達負犬の名前(他の5人の宇宙飛行士)の名前を入れたくないんですよ」と駄々をこね、ルイスが「ふうん、あなたがやらせたくないなら…待って、今袖章を見たら私が司令官だと言うことがわかっちゃったわ」みたいなシーンがあり緊迫したシーンでも笑わせてくれて、ルイスとワトニーってのは姉と弟もしくは母と子供。
そんなイメージなんですね。
だからそれらの掛け合いのシーンが削られてる事はマイナスですね。
映画版のワトニーは「大人」なんです。
宇宙飛行士の1人フォーゲル(科学者、
天体物理学者)をマッドサイエンティスト呼ばわりするシーンもないです笑
まあでも小説最後のベック(ヨハンセンのお相手の宇宙飛行士でドクター、生物学者)大活躍シーンがルイス大活躍シーンになっていてこのシーンは良かったです。
あとルイス船長の趣味であるディスコ音楽を演出にうまく使ってる部分は良かったです。
プルトニウム運んでるシーンで「HotStuff」とか
映画館じゃなかったら笑ってましたね。

とめちゃくちゃ不満たらたらに書きましたが、面白いか面白くないかで聞かれたら面白いです。
最初に酷いと書きましたが、書いてるうちに冷めてきました笑
ですが、かなり大部分が説明不足で(どうして地中にプルトニウムが?とか)
原作読んでない人には本当に消化不良になってしまいます。
DVDやブルーレイ出る時はその辺りのシーンを追加で撮影して入れて欲しいですね。