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読書と仕事と病気と、まったりとした日々

読んでる本や読んだ本の感想や病気の日々の事をのんびりと書いていきます

統率の実際

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数日前「統率の実際」の1巻を購入しました。

これは陸上自衛隊の幹部学校記事に40〜50年ほど前に連載されたもので、第二次世界大戦で指揮した将軍に何らかの形で仕えた元部下だった人や部署が近くて関係があったりした人が、その将軍の人なりやリーダーシップなどを書いたものです。
全3巻で2〜3巻は同じところに在庫があったから、先月まとめて購入し読んだのですが中々面白く、読み終わる前に1巻も欲しくなり他の店に注文して購入しました。
そしてせっかくだからと1巻から読み始めました。
1巻目、最初は阿南惟幾大将。
終戦の日に割腹自殺したポツダム宣言受諾時の陸軍大臣です。
書いた人は竹下正彦陸軍中佐・大本営付参謀。
どこかで聞いた事のある名前だなぁ……と思ったら、阿南惟幾の義理の弟(2番目の姉が阿南の奥さん)じゃないですか!
この人って、確か……「日本のいちばん長い日」によると終戦の日に宮城事件の首謀者の畑中少佐の上司で畑中らに説得され、義理の兄である阿南大将を担ぎ上げるため阿南大将の自宅に向かうが逆に阿南に説き伏せられその自決を見届けたという人。
戦後、陸上自衛隊に入って陸将(中将)にまで上り詰めていたのですね
全然知りませんでした。

びっくりしつつ読んでみたんだけど「阿南惟幾」に対して持っていた負のイメージが肯定的になってきたかも……

(個人的には終戦の日に割腹自決は責任逃れとしか思えないから)
俺の阿南惟幾大将のイメージって日本のいちばん長い日だけでのイメージだったから尚更この義理の弟の竹下正彦中佐の言葉は結構興味深く面白いです。

色々語ってるんだけど、特に気になったのは下記のエピソード
まず陸軍大学校を3回目にして入学できたとの事でこれを当時「阿南の陸大3回」と呼ばれ珍しい事とされていたらしいです。
なんでも再審試験は、性格・資質の試験と言われていて、竹下中佐は何か性格上適性を欠くものがあったとみるべきであろうと語っています。
阿南大将は良く言えば信念が強く、悪く言えば頑固で、再審の時でも状況に応じてうまく口を合わせるというような事は、まずできないとの事。

昭和13年には師団長として中国に行く事になり、高齢な母親と和歌でやりとりするなど親孝行な面もあり「親孝行も子孝行」と言う言葉を使っていたそうです。
ある日親不孝の者の話をしていると「いや、それはいちがいにそうは言えない。親不孝も子孝行と言うからね」と大将が言うには「親が立派にしていると、子供は、そういう親だから自然に尊敬して親孝行になってくる」と話し「上官と下官の関係も同じ事だ」と、立派な上官は部下を可愛がり正当な任務に与えてよく使ってやる。そうすると部下の方は心服するから、一生懸命働く事になる。
反対に悪い上官は、よく部下を統制できないで、年中、おれの部下はだめだ、さぼってしょうがない、能力がないというような事ばかり考えている。
そうすると部下の方は信頼されていないし、上官に対して腹も立つし心服もできない。
これは普通の仕事でもためになりそうなお話、俺は後者です苦笑

竹下中佐が結婚する際のエピソードとして、前夜に挨拶に行って何か訓示はありませんか?と阿南大将に聞いたら「君は結婚したらね、給料袋は袋ごとちゃんと奥さんに渡せよ」と

このエピソードを読んで阿南惟幾という人物は非常に真面目だったんだなと思いました。
あの時代、軍人のしかも将官クラスになるとお抱えの芸者とかいる人もいるのに(誰とは言いませんが、戦地で芸者遊びしていたあいつとか)
奥さんに給料袋をそのまま渡せよなんて中々言えないんじゃないですかね。
珍しいタイプなんじゃなかろうかと思います。

1番気になったのは、ポツダム宣言受諾の発言。
まず10日に御前会議が終わり陸軍省に帰って若手の参謀将校との話して阿南が

「すべてを捨てて厳粛な軍紀のもとに、一糸乱れず団結してやれ。越軌の行動は厳に戒めなければいけない。勝手な事はしてはいけない。今日のような国家の危急に際しては、一人の無統制が国を破る困をなす」
「もし、あえて反対の行動に出ようとする者があれば、まず私を斬ってからやってもらいたい」

14日の御前会議後の陸軍省での発言は

「勅裁によって、このように決ったということ。特に陛下が陸軍のことを、非常に御心配になって勅使を陸軍省に差遣してもいい。それから勅語を起草せよ。手段を講じて陸軍部内によく納得のいくようにせよ」
「今後皇国の苦難は、いよいよ加重するであろうが、諸官においては過早の玉砕は任務を解決する道でないことを銘記して、たとえ泥を食い、野に伏しても最後まで皇国護持のために健闘してもらいたい」

ここで気になるのが、10日の発言。
竹下中佐によると10日になっています。
しかし「日本のいちばん長い日」によると、14日の御前会議後に陸軍省

「聖断は下ったのである。いまはそれにしたがうばかりである。不服のものは自分の屍を越えてゆけ」とあります。

 

まず日付が違いますよね。

どっちかがおかしいとするなら、個人的には日本のいちばん長い日に疑問を持ちます。
何故なら竹下中佐はその場にいて聞いているのだから
そして日本のいちばん長い日の14日の発言は竹下中佐が語った10日の発言と比べて、不甲斐ない、クーデターやるなら黙認とまではいかないまでも消極的にやれよ、みたいに感じられます。

(あくまでも自分の主観ですが)
それに対して竹下中佐の方は意志の強さが見て取れます。

どちらかがおかしいのでしょうね……
多分半藤一利の方なんじゃないか…と思いました。

 

 

 

佐藤大輔氏が亡くなる

偉大なるウォーゲームデザイナーにして仮想戦記小説家の佐藤大輔氏が亡くなったそうです。

この方の本は10年ほど前、入院していた頃に、たまたま外出し寄ったところでレッドサンブラッククロスの文庫版全巻を販売してるのを知り買いました。

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当時はまだウォーゲームのウの字も知らなかったのですが、何故かレッドサンブラッククロスの名前だけは知っていて(理由は覚えていないのですが)それで買いました。

その後、侵攻作戦パシフィックストームやデビュー作の征途や皇国の守護者や短編であるフッケバインなども購入し読み一気にハマりこみました。

 

先日も地球連邦の興亡の文庫版の1〜2巻も購入したばかりでした。

そして来月には早川書房からミリタリーSFの新シリーズが発売されるということで期待していました。

数日前から亡くなったという噂は聞いていたのですが、実際亡くなったとわかった時は心にぽっかりと穴が開いたような感じになり悲しくなりました。

デビュー作と短編以外は全て未完ですが、その世界観、台詞回しは独特で僕個人は仮想戦記作家ではこの人を超えるような人はいないと思います。

 

ご冥福を心からお祈り致します。

面白い作品をたくさんありがとうございました。

 

Panzer Witch 購入

昨年放送されて珍しくハマったアニメ「終末のイゼッタ
1939年ゲルマニア帝国(現実のドイツ第3帝国)が隣国リヴォニア(ポーランド)に侵攻。
テルミドール共和国(フランス共和国)とブリタニア王国(大英帝国)もゲルマニアに対して戦線布告。
ヨーロッパにて大戦争が勃発する。


そして1940年、テルミドール共和国は降伏しヨーロッパはゲルマニアの支配下に置かれようとしていた、そしてアルプスの小国エイルシュタット公国(おそらくリヒテンシュタイン公国がモデル) にもゲルマニアが侵攻を開始する。
そんな中、エイルシュタットに古くから伝わる白き魔女の伝説を再来させるような魔女イゼッタは、幼い頃に友人になったエイルシュタット王家の王女フィーネのために戦っていく事を決意する……みたいな話なんです。
そのイゼッタを題材にした同人ウォーゲームを買いました。
デザインはコマンドマガジンの編集長。

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シナリオはアニメの最初でフィーネを守りながら戦闘機と戦ったシーンを題材にしたものとケネンベルク防衛戦、ゾフィネフィヨルド海戦の3つ

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ユニットは歩兵部隊、装甲部隊は1つ1個中隊。

イゼッタユニットは当たり前だが1人を表しています。

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空母決戦1942

昨年の11月頃からサイフォンのこまあぷシリーズの空母決戦1942にハマって時間あるときにちまちまとプレイしています。

これで、このこまあぷシリーズは全てプレイした事になるのですが

面白さは

空母決戦1942

総統指令

桶狭間の戦い

ガザラの戦い

百年戦争

薔薇戦争

の順ですね。

百年戦争薔薇戦争は完全にデジタルゲームっぽさが出てるので正直あまり面白くないです。

最初はガザラの戦いもなぁ…と思ってましたが、公式のデザインノートやコラムや作戦研究を読んだり、エキスパートモードをやると結構熱いです。

さて空母決戦1942なのですが

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これは1942年の太平洋を舞台にしたウォーゲームです。

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勝利条件は相手の空母ユニットを全て撃沈判定にするか

全ての地上基地を占領するかです。

最初こそ数で勝る日本軍ですが、最初の撃沈判定が出ると、イベント「日本軍の慢心」が発生し

その撃沈判定が出たところにスタックしている全ての日本軍空母が撃沈してしまいます。

なので、最初から6隻スタックして運用していると一気に全滅することも……

アメリカは最初は日本軍より空母が1隻少ないのですがエキスパートモードだと1隻撃沈判定するたびにイベントで大西洋から空母が回航し補充されます。

また撃沈判定ではなく、被害が出てドック入り判定を受ける場合もあるのですが、これを回復させるにはお互いのサイコロの出目が同じ数値にしてターンを進める必要があります。

その際日本軍は1隻ずつドック入りの空母が戦線復帰するのですが、アメリカは工業力の力で全て同時に回復します。

 

そんな感じでなかなか面白い仕上げになっています。

あけました

新年あけましておめでとうございます。

2017年も体調に気をつけて、ほどほどに頑張ります。

昨年末から続いた激務を終え、やっと2連休です。

爆睡するつもりです笑

 

さて、昨年末……大晦日に我が家にとある本が届きました。

グデーリアンが書いた機甲戦の理論書アハトゥンクパンツァーこと「戦車に注目せよ」です。

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グデーリアンの回想録である「電撃戦」をだいぶ昔に読んでからその存在を知り、それ以来翻訳されるのを待っていました。

内容は

戦車に注目せよ(1937)
戦車部隊と他兵科の共同(1937)
「機械化」機械化概観(1935)
快速部隊の今昔(1939)
近代戦に於けるモーターと馬(1940)
西洋は防衛し得るか(1950)
そうはいかない!西ドイツの姿勢に関する論考(1951)

と結構なボリュームです。

戦車に注目せよ以外の1937年から40年の論文は旧日本軍が翻訳した物を収録

50年代のものはおそらく初の翻訳かと思います。

以前から何度も英語版のペーパーバックを買って、自分でどうにか読もうかと悩んでましたが買わずに済んで良かったです。

 

 

 

日本の戦歴 南方進攻作戦読了

学研M文庫の「日本の戦歴 南方進攻作戦」を読み終えました。
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南方侵攻……
つまりマレー、シンガポール、香港、フィリピン、インドネシアへの侵攻を書いた1冊です。
文庫なんで内容的に浅いのかな…と思っていたら、当時参加した兵士の回想録などを結構引用していて濃く好感が持て面白く読めた1冊でした。
この本のおかげでマレー作戦に興味を持って「陸戦史集 マレー作戦」と「サムライ戦車隊長」買っちゃいました(笑
陸戦史集は第一次大戦のタンネンベルクの戦い、朝鮮戦争の1巻目、日露戦争の旅順攻略、第二次大戦のガダルカナルに続き5冊目なんですが、やはり日本が第二次大戦に参戦した日に始まった戦いのせいか本自体が分厚いような気がします。
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日本の戦歴 南方進攻作戦 (学研M文庫)

日本の戦歴 南方進攻作戦 (学研M文庫)

陸戦史集〈第2〉第二次世界大戦史 マレー作戦 (1966年)

陸戦史集〈第2〉第二次世界大戦史 マレー作戦 (1966年)



ユナイテッドステイツオブジャパン読了

ユナイテッドステイツオブジャパンの上下巻読了。
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この作品を知ったのはアメリカで出版された頃だったと思います。
数ヶ月前に日本でも話題になっていた記憶があって
先々週だったと思うのですが、10月に発売されたばかりと知って「あれ?まだ発売されてなかったんだ?」と思いつつ購入しました。

って事で感想を
まずこれを「21世紀版高い城の男」って思って読むと敷居が高くなっちゃいますね。
(著者もディックに捧げる文書いてるから仕方ないけど)
明らかに意識して書いてるなと思う部分は結構ありましたが、ディックの作風とは離れてます。
それ抜きにして読むと非常に面白い作品だと思います。

ストーリーは現実より遅く対米戦争を開始した日本軍と同時に北米に侵攻を開始したロンメル将軍率いるドイツ軍。
この2カ国の攻撃は最終的に日本による3発の核魚雷による攻撃でアメリカの降伏で終わり、日独は勝利し日本が占領下におきロスアンジェルスを首都とし西海岸を中心とした「日本合衆国」とドイツが占領した東海岸側とアメリカは東西に分裂します。
そして日本軍はその占領を巨大ロボにより行っています。
ドイツ側の設定や国名はあまり出てこないので詳細は不明ですが…

日独に分裂されたアメリカ、これは仮想戦記読む方なら結構ありふれた新鮮味のないテーマなんですが、キャラが皆立っていてそこが活きています。
肥満だがプログラムに関しては才能があるが女性遍歴が酷く日和見主義者(昼行灯?)な主人公。
純血な日本人じゃないが皇国に絶対的な忠誠を誓う特高の女性課員。
この2人のコンビが良い具合に出来上がっていて飽きを感じさせないです。
世界観はあまり言及されていないが日本は朝鮮戦争に参加し現在はベトナム戦争中の模様。
その場合、北朝鮮北ベトナムを支援するのはドイツですかね?
しかも現実のベトナム戦争より長期化しています。
そしてドイツは現実のソ連同様アフガンに侵攻した模様です。
逆にこの場合、ムジャヒディンを支援するのは日本?
その辺も詳しく書いてくれるともっと楽しめたかもしれないですね。
あとこの作品を楽しめたのは翻訳が良かったからかもしれないです。
何てったって巨大ロボを操るのが関西弁を話す女性パイロットなんて最高じゃないですか!

前評判で拷問やら糞尿の描写がきついと結構書かれていたから、心配していたけど全然大丈夫。
こんなの他の…極端な話「慈しみの女神たち」に比べると軽いです。
(比較対象を慈しみの女神にすると全てのグロい作品が軽くなりますが苦笑)
その慈しみの女神たちという作品は「文学界における最悪の性描写賞」だったかな…?(うろ覚えなんで)という賞を受賞したアインザッツグルッペンを題材にした物で、それを以前読んでいたので耐性はある程度付いていました。
それと個人的に思ったのは佐藤大輔の作品に雰囲気が似てるような気がしますね。
(あっちもアメリカはボロボロですが)
なんですかね……佐藤大輔の作風である「皮肉を感じさせない皮肉」というか「嫌味を感じさせない嫌味」って言うのかな……?
読んでいて心地良い感じ(心地良い感じはディックの作品にもあって繋がる部分もあると思いました。

とここまでが上巻の感想です。

下巻に関して書きますと、上巻を読んだ時の衝撃さ…初めてフィリップ・K・ディックの作品(流れよ我が涙、と警官は言ったが初めて読んだ作品でした)を読んだ時やホーガンの星を継ぐものを読んだ時の衝撃さは上巻には確かにあったのですが、下巻にはありませんでした。
これは上巻読んで、下巻読むまで1週間あったからかもしれないのですが、何か物足りない感じを受けました。
でもまあ全体的に見ると面白かったですね。
今年読んだ本でベスト1か2だと思います。

ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 上 (ハヤカワ文庫SF)

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ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン 下 (ハヤカワ文庫SF)

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高い城の男 (ハヤカワ文庫 SF 568)

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流れよわが涙、と警官は言った (ハヤカワ文庫SF)

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