読書と仕事と病気と、まったりとした日々

読んでる本や読んだ本の感想や病気の日々の事をのんびりと書いていきます

今年の終戦日に思った事

今年も8月15日がやってきました。
第二次世界大戦の終戦日ですね。
僕は今「地域のなかの軍隊 3 中部 列島中央の軍事拠点」なる本を読んでいます。

列島中央の軍事拠点: 中部 (地域のなかの軍隊 3)

列島中央の軍事拠点: 中部 (地域のなかの軍隊 3)


この巻を購入したのは、僕の住んでいる地元の事も書かれているからなのですが
この本は軍事史よりも、どちらかというと何故その県のどこどこに師団司令部なり旅団司令部もしくは連隊が配置されたか?
何故、市民が熱狂的に誘致したか?
地元との関係はどんなものだったか?等に重点を置いた郷土史に近いものとなっております。
この本によると、豊橋の場合は地元では「地形が満州に似ていて、演習に都合が良かった」からというように認識されているそうですが、実際は代表的産業であった製糸業の不振から1908年に第15師団を盛大な歓待を持って迎え入れたとあります。
このように戦前から地元経済が低迷する小都市は軍隊の誘致を熱狂的に行われたそうです。
そしてそれらの町は「軍都」と呼ばれる事になりました。

今の日本で言うと各県に誘致こそしていませんが自衛隊、米軍が駐留する「軍都」は存在します。
そして、まず思い浮かべるのが沖縄県かと思います。
沖縄県の方々には申し訳ないのですが、僕は「沖縄県」という台湾、東南アジア、そして中東への玄関口という「場所」柄、そして昨今の尖閣諸島を巡る対立にとっても所謂「自由と繁栄の弧」の最前線である沖縄県には米軍の存在は必要不可欠だと思っています。
かと言って戦争には僕は以前も言った通り反対の立場ですし、核、空母、原潜などの保持にも反対です。
この考えに関しては変わっていません。
ですが、軍隊がそこに配置されている以上は「何らかの理由」が存在し、そして少なからず地元の町は全てとは言いませんが何らかの恩恵を受けている人間が存在します。
もちろん恩恵を受けず、逆に迷惑を被っている方々もいるのは承知しています。
上記の本では、各地が戦前に軍隊を誘致したのは基地の建設の労働者の雇用、兵士やその家族が地元で使うお金に期待した地元住民と、そこに軍隊を配置する政府(政治家)や軍部の目論見が一致した結果のように書かれています。
沖縄県もおそらく米軍が出ていったら地元経済(正直観光業だけでやっていけるのか僕は疑問です)はガタガタになるでしょうし領土問題や尖閣諸島周辺がきな臭くなるでしょう。
余談ですが、僕の住んでいる県には原発があり、そこの市に住んでいる友人にちょっと前に久しぶりに連絡取ったら、原発停止後は全く仕事がなくなり、そこの市は外国人パブや飲屋街が栄えていたのですが、その上東北の震災後にはお店は閉まって皆あっちにお店を出しに行ってしまい町から活気がなくなったと言っていました。
軍隊と原発、置いてあるものは別物ですが実際に地元住民は少なからず何らかの恩恵を受けています。
僕は昨年、何も考えずに反対〜!賛成〜!と叫ぶ前にまず議論をすべきだと書きました。
ですか、現実はそんな議論も何もなく一部の若者達が熱狂的に賛成し反対し、そして都知事選でも何も考えずに(僕にはそう見えました)核を問題にする候補者がいた事に驚きました。
これが例えば、尖閣諸島を持つ沖縄県での選挙で尖閣諸島を議題にあげたり、原発がある県の選挙で原発を議題にするのは良いと思います、というか当然です。
ですが、東京に核ありますか?

軍隊にしても原発にしても「何故そこに置かれたか?」考えてみると答えが出てくるかもしれません。
そして一方的に叫ぶのではなく議論をしましょう。
と「地域のなかの軍隊」という本を読んでいて、そして今日8月15日の終戦日に思った事です。